今から二千年ほど前に成立したヨガの根本経典「ヨガ・スートラ」には、私達が平安な生活を送るための智慧が記されています。 その中の一つに"サント―シャ"という教えがあるのはご存知でしょうか?日本語では「知足」と書きます。足りている事を知っていく。 私たちは手にしていなく足りていない事に意識が向きがちですが、 既に自分が持っている事に目を向けていきましょうという教えです。
「知足の結果として、人は無上の喜びを得る。」と経典には記されています。
私にとって2013年は、目まぐるしく状況が変わり、初めての経験も沢山出来た年でした。 5月に生まれて初めて新婚旅行を兼ねてインドへヨガ修行に行く機会も持てました。沢山の動物が公道を歩いていても動じないインドの人や動物と共存する姿を観察したり、のんびりとインドの国を肌で体験してきました。
マハラジャの宮殿を47度の炎天下で散策という体験も出来ました。宮殿内では、夫が優しい言葉をかけてくれても暑いというか、外気が痛すぎて、新婚旅行だというのに素っ気ない対応しか出来ませんでした。
出口についた頃、暑さで朦朧としているところに一人の少年がこちらに近づいて来ました。その5歳位の少年は私達二人に子供らしい笑顔と可愛らしい動きを見せてくれます。インドの子供ははっきりした顔立ちで可愛くて、少年の回りにはキラキラと星が舞っているような雰囲気さえ醸し出していました。ジャニーズJrのようなその少年の笑顔を見て、私は暑さの苦しみを忘れて自然と顔が綻び、幸せな気持ちになりました。
インドは幸せの対価としてチップを払う文化の国でしたので、夫が小銭を出そうとしている瞬間私は見てしまいました。少年の先ほどとは違う獲物をハントするような鋭い眼差しを。。。彼は、笑顔が人を幸せな気分にさせる事を知っていたのです。そしてチップがもらえ生きるための生業になる事も。少年の素敵な笑顔と生きるためのたくましさを目の当たりにして、改めて私たち誰もが無料で作ることのできる笑顔には魔法のような力があるのだという事を思い出したのです。
そんな笑顔の力を使わないと勿体無いと気づいた私は、ならば実践と、炎天下の下でも、夫が話しかけてきたときには意識的に口角をあげてみることにしました。するとそれまでの暑苦しさがどこかへ消えて、気持ちよく夫と接することが出来るようになったのです。おかげで記念写真もとびきりの笑顔で撮れました。私たち人間が持っている笑顔の力を思い出させてくれた少年にはとても感謝しています。
現代社会は色々な意味で生き辛さを感じる場面も多いかもしれません。そんな時こそ、自分が手にしていない外の事ばかりに目を向けるのではなく、私達人間がもともと持っている力に目を向ける事が出来たなら、もっと世界中に笑顔が溢れるのかもしれません。
笑顔は愛される力と結びついています。まずは自分の心の奥底にある笑顔のスイッチを少し押してみませんか? 2014年は、是非とも口角をあげて、至福感に包まれた世界を歩んで行きたいですネ^^